MATSUSHIMA – WAN
宮城県・松島湾について
仙台湾の内湾である松島湾は、水深が浅く波が穏やかで、古代より豊富な海産物に恵まれています。全域で早くから製塩が行われており、狩猟採集を生業としていた縄文時代にさえ、数千年にわたり集落が営まれていたほど豊かな海です。
藩政時代には伊達藩の年貢米を江戸へ運ぶ船で賑わい、明治時代以降も、鉄道網が整備される昭和初期まで海運の要衝でした。南西部の塩釜港は今もマグロ漁獲高日本一で、東部の松島町や奥松島は日本有数の景観を誇ります。湾内の浦戸諸島には、4島の有人島があります。
CULTURE AREA
“文化圏”で考える
松島湾の沿岸部には現在三市三町の自治体がありますが、これらの地域はみな、これまでの長い営みの中で、松島湾の地形とそれがもたらす恵みにより文化を育んできました。
「海」に着目して地域を見てみると、現代の生活では見えにくくなっている「湾の文化のつながり」が現れてきます。そこには共通点もあれば、役割の違いもありますが、「湾がそこにあったから」現在そうなっていると、多くの場面で実感することができるのです。そうした視点が、これから地域で生きていくことを考える時に重要なのではないかと、私たちは考えています。