海から見ると、線は無かった。

ABOUT OUR PROJECT

PROJECT CONCEPT

私たちが暮らす世界には様々な「境界線」が引かれていて、私たちはそこに本当に線があるかのように振る舞っています。でも「海の視点」で陸を眺めてみると、そこに境界線はありませんでした。

「あちら」と「こちら」に線は無く、「いま」と「むかし」にも線は無い。そんな視点で世界を見てみると、自分たちが暮らす地域がこれまでと違って見えてきます。

「つながる湾プロジェクト」は、海からの視点で松島湾を再発見し、味わい、共有し、表現することを通して、現代では当たり前になっている「陸の視点」とは異なった見方で地域や人・時間のつながりを捉え直す試みです。

①「湾」の文化を見つける
松島湾界隈を「ひとつながりの地域」と捉えて、この地域の文化を探ります。
②「湾」の文化を表現する
「視点を変える」仕掛けを大切に、見つけた湾の文化を表現します。
③「湾」の文化を分かち合う
この地域に暮らす人びとと「湾に暮らす面白さ」を共有し、広げます。

MATSUSHIMA – WAN

宮城県・松島湾について

仙台湾の内湾である松島湾は、水深が浅く波が穏やかで、古代より豊富な海産物に恵まれています。全域で早くから製塩が行われており、狩猟採集を生業としていた縄文時代にさえ、数千年にわたり集落が営まれていたほど豊かな海です。

藩政時代には伊達藩の年貢米を江戸へ運ぶ船で賑わい、明治時代以降も、鉄道網が整備される昭和初期まで海運の要衝でした。南西部の塩釜港は今もマグロ漁獲高日本一で、東部の松島町や奥松島は日本有数の景観を誇ります。湾内の浦戸諸島には、4島の有人島があります。

宮城県・松島湾について
  • つながる湾
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CULTURE AREA

“文化圏”で考える

松島湾の沿岸部には現在三市三町の自治体がありますが、これらの地域はみな、これまでの長い営みの中で、松島湾の地形とそれがもたらす恵みにより文化を育んできました。

「海」に着目して地域を見てみると、現代の生活では見えにくくなっている「湾の文化のつながり」が現れてきます。そこには共通点もあれば、役割の違いもありますが、「湾がそこにあったから」現在そうなっていると、多くの場面で実感することができるのです。そうした視点が、これから地域で生きていくことを考える時に重要なのではないかと、私たちは考えています。

文化圏で考える
つながる湾